偶然にも最悪な少年

「博多ちょ〜バブリーじゃん!」
というセリフをキャナルシティ博多のシーンで聞くと、なるほど、確かにあの建物はそう映るかもしれんねえ、と納得いった「偶然にも最悪な少年」である。
これ、主人公達が東京から博多、小倉、下関へ向かうといういわゆるロードムービーと呼ばれるヤツ。


正直、映画そのものはどうなのかって感じだったのだが。
そもそも渋谷あたりで暴れてる無軌道で何にも考えてない若者像って描き方がもう既に陳腐である。そのせいかどうかは分からんが、主人公の少年が全く魅力的じゃないんよねえ。ま、これは市原の顔が私の好みじゃないってのが原因かもしれんが。
しかもヒロインの方は強迫神経症だとか乱暴だとか、これまた「ちょっと変だけどそこが魅力の女の子」という、サブカルモノによくありがちなタイプだし。
更にセリフが今時の壊れた若い女の子が言うとは思えん、それは昼のグランドロマンじゃないのかっていう感じなんである。もうすごいアンバランス。なんか、キャラクターの設定に無理があるんじゃないのかと。

けどまあ、私のように小倉で育って福岡に十数年住んでた人間には非常に親近感のわく映像。出てくるところ殆どどこか分かるし。
福岡の場面がキャナルやら博多座のところやら博多港やら近代的かつちょ〜バブリーな建物のところばっかだったのに対し、小倉ときたら魚町銀天街とか紺屋町の路地とか旦過市場とか朽ちかけの雑然とした映像ばかりで改めて福岡との対比にしみじみとせつなさを噛み締めたわたくし。ま、実際小倉の繁華街ってあれやけねえ。
ついでに最初と最後らへんの東京のシーンが渋谷の道玄坂だったのも、ついこないだ渋谷に泊まってた私からすると親近感が更に増した。

あとメインキャストの市原隼人中島美嘉池内博之矢沢心はまあ、おいといて。その他ちょい役で出て来る人達がエライ盛り沢山。
キャナルの駐車場のシーンで出てくる永瀬正敏とか宮崎出身なだけに、さすが自然な博多弁。同じくアニ=塚本高史の博多弁も「ロッカーズ」効果か何か知らんが非常に流暢であった。「木更津キャッツアイ」「ロッカーズ」繋がりでいくとうっちー=岡田義徳も出てたし。
こないだ噂になっとった永瀬と中島って「濱マイク」の後ここでも微妙に共演しとるんやんね。ま、別にいいけど。


映画の話ついでにこれ。クドカン新作映画。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040421-00000018-spn-ent

この前に夏には村上龍原作の「69シックスティー・ナイン」が公開されるので、まずはそっちなんだが、原作読んでないんよねー。まあ、村上龍は「コインロッカー・ベイビーズ」しか読んだことがないんだが。しかも人が面白いって言うほど私にはガツンとこなかったんだが。
さて、「69」はどうなんでしょう。

http://www.69movie.jp/

映画公開の前に原作読もうかとも思ったんだが、今本屋行っても古いバージョンしか置いてないんよねー。多分映画公開直前には増刷されて、帯が妻夫木聡安藤政信のになるハズなんで、どうせならそっちを買いたいやん。
まあ、別にこの2人のこと特に好きってコトもないんですけど。

で、この映画も佐世保の他に北九州でもロケがあったらしいんよ。やっぱ見に行かな。