ヒューマン・トラフィック

azoofc2004-06-18

「ヒューマン・トラフィック」というビデオを見たんよ。http://www.vagabond.ne.jp/talkin/koukai2/000809/human/human.html
まあ、内容に関してはほぼ最初っから想像していた通りだったんで特に語るべきほどのものはない。
どう想像通りかと言えば、いわゆる「トレインスポッティング」の世界を踏襲した映画だったなあ、ってことである。
ドラッグと何の希望もない未来と刹那の享楽の中に生きる英国(「トレスポ」スコットランドが舞台であったが、これはウェールズが舞台)の若者の話。サントラもUnderworldとかPrimal Screamとかだったりするし。
でもこの路線だとどうしても「トレスポ」の印象を越えるのは難しいのではないかと思う。「ヒューマン・トラフィック」としてそこそこ面白いとしても、「トレスポ」のように後々まで語られることはないだろう。
私的にはあの映画、冒頭とラストのレントンユアン・マクレガー)の独白がすべてと言っても過言ではない。
「あんたと同じ」「退屈な人生」を求め、レントンは刹那の毎日を捨てアメリカに旅立ったが、「ヒューマン・トラフィック」の登場人物達は未来のない日々の繰り返しと、刹那の享楽の中から外へ出ることすら考えていない。
なんか、この狭過ぎる世界の閉塞感がちと今の私には息苦しく感じられてしまった。

ちなみに「トレスポ」大ヒットの後、ユアン・マクレガーはあの人気テレビシリーズ「ER」にゲスト出演している。ロス先生=ジョージ・クルーニーがまだ出ていた時代のヤツなんで、一体どのシーズンのやつだったのかすら忘れてしまいましたが。
で、私の中ではあれが「レントンのその後」像なんである。
なにしろユアン君の役柄が「スコットランドからやって来たチンピラ」だし。そしてアメリカにも未来はなかったというオチ。
ま、こんなん書いても「トレスポ」も「ER」も見てないと全然意味分からんよねー。

そんな訳で「ヒューマン・トラフィック」に関しては特に可もなく不可もなし、という感想なんだが、ひとつ気になったのは、主演のジョン・シムという人である。
なーんかこの人見たことあるよねー、と思っていたら、やはり「24Hour Party People」でジョイ・ディビジョン→ニュー・オーダーのバーナード・サムナー役をやっていた人であった。
http://www.gaga.ne.jp/24hour/cast.html

「ヒューマン・トラフィック」ではあまりにも童顔なんで(おそらく役柄としても20代前半の設定と思われる)まさかと思ったが。いやー、あのチンピラ役からバーニーの形態模写なんじゃねえかってくらいの完コピ状態まで作り上げられるとかさすが英国の役者という感じがする。そして日本の同年代の俳優(30代前半)のレベルを考えると悲しくなるわーマジで。